日本財団 図書館


 

12)主軸受キャップ締付ボルト
クランク軸の衝撃力を主軸受を介して受けるため、クロームモリブデン鋼などの特殊鋼で造られている。ハンガー式ではクランク軸の自重も加わり、より大きな力が働くので十分な強度を持たせている。重要なボルトであり整備マニュアルに従って片締めや締め過ぎ、締め不足にならないよう規定のトルクで締め付けることが重要である。
13)フライホイール(勢車)
フライホイールはクランク軸端に取り付け、燃焼行程の余分なエネルギーをフライホイールに吸収させ、他の行程では、その回転惰力のエネルギーを吐き出させクランク軸の回転を円滑にさせる重要な役目を持っており、一般に鋳鉄製で外周リムの断面を有する車輪形状に造られている。
クランク軸への取り付けは2・71図に示すように、テーパ式又はフランジ式の構造となっている。テーパ式は小形機関に用いられ電気始動機関の場合は駆動用のリングギヤを外周に焼嵌めしている又フライホイールの外周にはクランク位置やタイミングマーク等が打刻され、位置合せやタイミング合わせに使用している。

 050-1.gif

2・71図 フライホイールの取付け構造

14)ダンパー(減衰器)
ダンパーはねじり振動の振幅が一番大きくなる軸端等に取り付け、ダンパーの慣性体の動きで、振動エネルギーをおさえ、ねじり振動による被害を低減させるものである。

 050-2.gif

2・72図 ダンパーの構造

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION